静の世界であり無である(水墨画より)

2015年3月2日

かれこれ4ヶ月ほどだろうか

私は水墨画教室に通っています。

90分間の黒を使った絵の世界です。

 

課題が出され、それを一心不乱に模写。

水墨画は模写を1番の練習としていると

日本画のプロの友人からも聞いていましたが、

これはアウトプットでもインプットでもない

身近な無に近い集中力として現在実感します。

 

平面に書かれた絵を見て真似る。

現在自宅でひらがな文字を練習しているのですが、

小学生の時の漢字を書いているのと同じです。

 

慣れ親しんだ字を、見て同じように書く。

模写です。

しかしその、頭で考えるのではなく身体で指の力で

筆先を動かすこの作業自体が

心や呼吸、力加減で真似るだけにもかかわらず

うまく出来ないのが奥深さを物語っています。

 

現在、英語をたまに勉強していますが、

集中力はインプットするという

記憶に入れる学習であり集中です。

 

私がなにか絵を描こうとキャンパスに向かう時も

気持ちが湧き上がりアウトプット的な描き方にもなります。

 

今もこうして文章を書く時も

同じような集中ですが、脳の部分には

湧き上がる言葉をアウトプット集中です。

 

しかし、習字とは

アウトプットでもインプットでもない

作業的な集中に近いにも関わらず

静の世界の無に近い作業でもあるような。

 

心を沈めて字を書かなければ

他事を考えていては字は乱れます。

 

想いや気持ちが指先から筆先へ伝わり

模写にも関わらず乱れます。

心が慌てていても乱れます。

 

自分の脳内を観察をしていても

奥深いものだと感じます。

 

真似て書くだけの作業にもかかわらず、

初日は頭が重く疲れを感じました。

しかし人間の癖は習慣ですぐ慣れてゆくものですね。

数ヶ月もすると、その集中も疲れもなく

90分があっという間に作品に変わります。

 

そんな時間を一緒に共にして数ヶ月の

隣に座る中学1年生の少年は

習字も習いつつ水墨画を2年続けているのですが

学業があるのでと最後の日でした。

 

穏やかに話す少年の言葉や呼吸には

この習字で培ったものがあるからなのか?

成績は優秀らしい。

やはりこの集中力は幼少期には重要なのかもしれないと…。

私自身も早くからやればよかったと反省していたり…。

 

私がつねづね思うのは

集中力にも様々ありますが、

記憶力にも考える力にも影響しているのではないかと

この黒で描く墨の世界で改めて様々な視点から学んでいます。

 

心、穏やかばかりが

素晴らしいとは思いませんが

しかし、その静の中で思うコトや考える事は

自分を見つめる時間や自分の心を感じる時間になります。

昔から伝わる習字の時間。

墨の世界観は理由があるのかもと思う時間でした。

 

心を感じる静の大切さは墨から…

“静と動“と言われる言葉の静とは…ここにありです。

 

そう。墨の世界。

田中千栄子 経歴を見る
一般社団法人日本メンタルセラピスト協会 専務理事
日本メンタルセラピスト協会HP
http://www.jmental.com/
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